王道ラノベはお腹いっぱい!というあなたへ…
「これまでライトノベルはたくさん読んできたけど、最近なんだか飽きてきたなぁ……」
「どれも王道展開ばっかりでちょっともういいかなって」
「やれ追放だの悪役令嬢だの。それもいいけど違うテイストも欲しいよなぁ……」
ラノベを熟読せし熟練の強者たちのそんな声が耳に聞こえてくるようです。
でも大丈夫!
この記事では王道ラノベに満腹なあなたへ、ラノベ界隈でいう王道を外れた作品を9つご紹介いたします。あらすじと個人的な見どころも記しますので、よろしければ次の選書の参考にしてください。
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鬱・シリアス展開のラノベとは?
鬱・シリアス展開のラノベとは、登場人物が悲劇的な運命や心の闇に立ち向かう展開が描かれた物語のことです。主人公が孤独や挫折、苦悩といった困難な状況に直面しながら成長していく……もしくはそのまま堕落してしまう姿が描かれる点が特徴的でしょう。
鬱展開とは:悲しみや絶望、孤独など、読者にネガティブな感情を抱かせる展開
鬱展開とは、物語の展開や登場人物の状況が非常に暗く、悲劇的である時に遣われる言葉です。特に困難な状況に直面し、それがどうにもならずとことん苦しんで苦しんで、それでもなお救いがないような状態が描かれている場合に使用されることが多いと思います。
シリアス展開とは:深刻で暗い雰囲気の展開
シリアス展開とは、物語が深刻で厳粛な雰囲気になる展開を指します。鬱展開とそこまで相違ないように感じますが、筆者的にはシリアス展開< 鬱展開ですね、重さ的な話は。
鬱・シリアス展開のラノベの魅力
ラノベ界隈に異端審問官がいれば確実に審問にかけられそうな鬱展開ラノベ。それでは一体、これらラノベにはどのような魅力があるのでしょうか?
心に響く(かもしれない)ストーリー
鬱展開といえば、心に響くかもしれない、あるいは響きすぎるストーリーが何よりの魅力です。死なないと思っていた親友があっけなく死に、裏切らないと思っていたヒロインが呼吸をするように主人公を追い詰めていく。時には心を抉られることもあるでしょう。いえむしろ心は抉られるためにあると言っても過言ではないかもしれません。
しかし裏を返せばどうでしょうか。これはよくできたストーリー、つまり人の心を存分に揺さぶる事に成功した優れた作品である証左なのです。もちろん響き方が良いとは限らないので、(かもしれない)とつけさせていただきました。
感情を揺さぶりすぎる展開
これこそ鬱展開・シリアス展開を含んだラノベの真骨頂。主人公に感情移入してきたと思ったら途端に訪れる嘘みたいな悲劇。あまりの凄惨さに目を背けたくなることも多々あることでしょう。
大いに結構。小説とは心を揺さぶられてなんぼです。大きく揺れましょう。遊園地のバイキングよろしく!
新たな視点を得られる
最後にあげる魅力としては、今までに自分が持っていなかった視点を垣間見ることができることです。もしくは獲得できると言ってもいいかもしれません。
ラノベに出てくるキャラクターたちは往々にぶっ飛んだ性格をしていますが、鬱展開・シリアス展開におけるキャラクターたちの行動はその基準値を遥かに超越していることが多いです。ただしこれを「ただのヘンテコなキャラクターが奇行に走った」で終わらせてはもったいないです。どんなキャラクターにも(信じられないようなものもあるが)行動原理は存在し、そこには必ず納得感・腹落ちするような理由があります。
我々が生活を送る現世にも、もしかしたらあのキャラやこのキャラと同じ思考を持っている人々がいるかもしれません。意外とあなたの隣に座っている人、とかね……。
ホラーチックな話はさておき、自分だけでは絶対に持てない視点を持とうとする気概が大事なのです。……もっとも、小説にそこまでの目的意識を持つ必要もないとは思いますが。純粋に楽しみましょう、小説!
鬱・シリアス展開のラノベおすすめ9選
それでは本記事の本丸である、鬱・シリアス展開を含んだラノベを9作品ご紹介いたします。気になるものがございましたら、ぜひチェックしてみてくださいね。
俺が生きる意味
著者:赤月カケヤ
あらすじ:
愛憎入り交じる、生き残りを懸けた物語。
「斗和くん、何読んでるの? 試験前なのに余裕だね」
人生最後の平穏の日。人類が生態ピラミッドの頂点から転がり落ち、人間が捕食される側にまわった日の学園生活は、青葉萌由里のそんな言葉からはじまった――。
放課後、萌由里とその親友である赤峰寧々音から同時に別々の場所へ呼び出しを受けた。それが自分への告白であると気付いた斗和は、返事をするために移動を始める。
そのときだ。ピィンと弦を弾くような耳鳴りが聞こえ、世界が一瞬、暗転したように感じた。自身がどこか、高い所へ上っていくような錯覚を覚える。夢から覚めるときの感覚に似ているような気がした。それは単なる錯覚だったのかもしれない。耳鳴りが消え去った後も、教室や自分自身にもなんら変化はなかった。
いや、何かが違う。どこかおかしいと思った。漠然とした不安が渦巻いているような気がする――そう、この予感は正しかったのだ。
見どころ:
・閉ざされた学校で化け物に襲われるパニックホラー
・巧みに設定されたキャラクターたちの異能力
・最大の見どころはやはり怪物。ただ力で圧倒する話……ではないのです!
されど罪人は竜と踊る
著者:浅井ラボ
あらすじ:
咒式を使い、問題解決と賞金稼ぎの生業に明け暮れる、ふたりの攻性咒式士、ガユスとギギナ。 混沌とした国境の街、エリダナで咒式士事務所を構える彼らに<竜>を狩る仕事が舞い込むのだが、それは絡みあう陰謀と策謀の始まりだった――。
見どころ:
・風格あるキャラクター
・咒式という魔法の科学的理論化
・冷酷無情でシビアな世界観
薔薇のマリア
著者:十文字青
あらすじ:
九頭竜大骨格と呼ばれる巨大竜の骨が“蓋”となり、異界生物を封じ込めている地下空間に、財宝を求め危険を顧みず潜り込む集団がいた。クランZOO。美しくも頼りないマリアローズを筆頭に今日も万全(?)の態勢でお宝GET!?…のハズだったのに!!分断の危機、思わぬ敵との遭遇と、幾度のピンチをへてメンバーが見たものは、戦慄の魔導女王が誘う“哀しき夢”だった!?優しき“侵入者”マリアと仲間たちの最高な物語、堂々開始。
見どころ:
・多様な要素の融合
・複雑で魅力的な登場人物たち
・群像劇と緊迫感ある展開
白貌の伝道師
著者:虚淵玄
あらすじ:
人とエルフ、異なるふたつの種族の血を分け合う身であるがゆえに蔑まれて育ち、メラネイド伯爵の嫡子・アーウィンに謀られた半エルフの娘・アルシア。抜け殻となっていたアルシアの絶望を言祝ぎ、復讐の願いを受け入れた謎の旅人・ラゼィルはアルシアの故郷・谺谷のエルフたちと共謀し、人間への意趣返しを提案する。ラゼィルの白貌の裏側に秘められた“混沌”が妖しくきらめく―!
見どころ:
・混沌と破滅に満ちたダーク・ファンタジーの世界観
・残酷で狂気溢れる登場人物とその葛藤
・虚淵玄の得意とする「絶望」や「狂気」の描写
ストレンジボイス
著者:江波 光則
あらすじ:
日々希に虐められすぎて不登校になっていた遼介が、卒業式にやって来るらしい。日々希に、そしてずっと見て見ぬふりをしていた私たちに復讐するために。他人のすべてを知りたいという欲求にあらがえない私は遼介の部屋を訪ねる。そこで出会った遼介は、赤の他人と見紛うばかりに鍛えあげた体で、禍々しい形に削りだしたバットを私に突きつけた。「全員殴り殺してやる」。私は、心待ちにしている。遼介が復讐を遂げに現れる瞬間を―。癒やされることのない心の傷を負った少年と少女のためのサバイバルノベル。
見どころ:
・独自の雰囲気と手に汗握るストーリー展開
・予測不可能な結末
・深い哲学的要素と人生への洞察
ぷりるん
著者:十文字青
あらすじ:
ラブラブ光線絶賛放射中な妹―うずみ(♀)。元・天才美少女、自由奔放な姉―綾(♀)。みんなのアイドル、気になるクラスメイト―桃川みう(♀)。脚がステキな憧れの先輩―小野塚那智(♀)。彼女たちに振り回される人―ユラキ(♂)。ユラキの悩みは今日もつきることなく、“ぷりるん”はまた現れる。新感覚系ラブストーリー誕生。
見どころ:
・抜群の構成力
・登場人物たちの複雑な心理描写と変化
・人生の教訓にもなりえるテーマ性
・あらすじからは想定できない重さ
魔法少女育成計画
著者:遠藤 浅蜊
あらすじ:
市立梅見崎中学校、2年F組。女子ばかり、わずか15人だけで構成された奇妙な学級だが―その実態は「正しい魔法少女」を育成するために作られた「魔法の国」肝煎りの特別クラスだった!選ばれたエリート魔法少女達は未来への希望に顔を輝かせるが、その陰には邪悪な意思が蠢いており…。魔法少女スノーホワイトのサーガも、ついに佳境へ。「魔法少女狩り」の新たな獲物とは!?
見どころ:
・多彩なキャラクター群の魅力と個性豊かな描写
・テンポの良いシリアスな展開と緊迫感
・読者を引き込む謎と期待感
神様のメモ帳
著者:杉井 光
あらすじ:
「ただの探偵じゃない。ニート探偵だ。世界を検索し死者の言葉を見つけ出す」路地裏に吹き溜まるニートたちを統べる“ニート探偵”アリスはそう言った。高校一年の冬に僕と同級生の彩夏を巻き込んだ怪事件、都市を蝕む凶悪ドラッグ“エンジェル・フィックス”―すべての謎は、部屋にひきこもる少女探偵アリスの手によって解体されていく。「真実はきみの平穏を破壊する可能性がある。それでも知りたいかい?」僕の答えに、普段は不真面目なニートたちが事件解決へと動き出す!情けなくておかしくて、ほんの少し切ない青春を描くニートティーン・ストーリー。
見どころ:
・ユニークな登場人物と個性的なキャラクターたち
・シリアスとギャグの絶妙なバランス
・ハッピーエンドではないが素晴らしいオチ
生贄のジレンマ
著者:土橋 真二郎
あらすじ:
「今から三時間後にあなたたちは全員死にます。ただし生き残る方法もあります、それは生贄を捧げることです」卒業を間近に控えた篠原純一が登校してみると、何故か校庭には底の見えない巨大な“穴”が設置され、教室には登校拒否だった生徒を含むクラスメイト全員が揃っていた。やがて正午になると同時に何者かから不可解なメッセージが告げられる。最初はイタズラだと思っていた篠原たちだが、最初の“犠牲者”が出たことにより、それは紛れもない事実であると知り…。
見どころ:
・閉鎖された学校の緊張感と未知なる終了条件
・外道主人公&聡明な登場人物たち
・心理描写の巧みさ
まとめ
いかがでしたか?
ラノベはその文体やわかりやすいストーリーから簡単に読めると思われがちですが、良い意味で心を抉ってくる良作はたくさん存在します。鬱展開・シリアス展開の作品にも同じことが言えますので、気に入ったもの・気になったものがあればぜひお手に取って読んでみてください。
感想、お待ちしております……!