小説を書き続けるコツとは?2つの『書き続けられない』原因と対策

小説を書き続けることは、初心者からプロまで多くの小説家が直面する課題だと思います。

この記事では、習慣的および物語的に書き続けられない原因を分析し、具体的な対策を考えていきます。時間管理やモチベーション維持、キャラクター設定の改善など、多岐にわたる方法を取り上げることで、執筆を続けるための実践的なヒントを紹介します。小説家志望の方々が挫折せずに執筆を続け、物語を完成させる手助けとなる内容です。

よろしければ参考にしてください!

2つの「書き続けられない」

私の持論にはなるのですが、小説を書き続けるコツを知りたい方には大別して2パターンの場合が想定されます。すなわち、

・「習慣的な」問題のために書き続けられない
・「物語的な」問題のために書き続けられない

の2種類です。簡単に言えば、前者はモチベーションや執筆行為そのものについての問題、一方の後者はよりテクニカルな問題を指しています。

これらの問題が解決できれば、執筆をスムーズに進められるはずです。以下では「習慣的な」続けられない理由と対策、そして「物語的な」続けられない理由と対策を具体的に解説していくことにします。

「習慣的な」続けられない

「習慣的な」続けられないとは、文字通り小説執筆に対する平時の姿勢に問題がある状態を指します。

例えばモチベーションが保てないや、昨日は頑張れたけど今日はどうしても腰が重い、あるいは書くための時間を確保できないという物理的な制約を定義に含んでもいいかもしれません。

では、その原因にはどのようなものがあるのでしょうか。

①時間の管理が行き届いていない

時間の管理が行き届いていないと、継続的な執筆は困難を極めるでしょう。

小説を書くには集中して取り組む時間が必要です。しかし、日常生活の中で時間をうまく管理できないと、執筆に充てる時間が確保できません。

例えば、毎日のスケジュールに執筆時間を組み込んでいない場合、他の予定に執筆時間が奪われがちです。朝早く起きて書く、夜寝る前に書くなど、固定した時間を設けることで執筆の習慣が身につきます。

執筆時間を確保するために、時間管理を徹底しましょう。時間さえ確保できれば何とかなる!というケースも少なくありません。これにより、継続的に小説を書く地盤を整える事ができるはずです。

②モチベーションの低下

モチベーションの低下も、執筆を続けられない大きな原因のひとつです。

小説を書くためのモチベーションが低下すると、書くこと自体が面倒に感じられ、執筆の習慣が途絶えます。特に、執筆の進捗が見えにくい時期には、モチベーションの維持は天上の難しさを誇るでしょう。

これを避けるための手段としては、具体的な目標を設定すること、執筆コミュニティに参加して仲間と交流することが効果的だと考えます(詳細は後述)。小さな達成感を得ることで、執筆への意欲が持続しやすくなるためです。

③外部の干渉やストレス

外部の干渉やストレスがあると、執筆活動に集中するのが難しくなります。

家族や仕事など、外部の干渉やストレスが執筆の妨げになることがあります。これらの要因が集中力を削ぎ、執筆のペースを乱してしまう事も往々にあるでしょう。

特に昼間は会社員、執筆は労働の後……という努力の鬼のような人は注意が必要でしょう。仕事はどうしても疲労がたまるものなので、思ったより執筆が進んでいないということが当たり前のように起こりえます。そしてそれ自体がストレスになってしまう。うーん、悪循環ですよね。

こちらも詳細は後述しますが、対処法には、静かな場所で執筆するために専用の執筆スペースを設けることや、リラクゼーション技術を取り入れてストレスを軽減する等があげられます。

「物語的な」続けられない

「物語的な」続けられないとは、書いている途中で「なんだかおもしろいと思わなくなってきた」「キャラクターたちが人形みたいに見えてくる」といった技術的な問題が生じている状態です。

最高の物語を書こうと思って執筆を始めたのに、なんだか段々とつまらないと感じるようになってくる瞬間。どんな人でも経験があるのではないでしょうか?

原因は準備不足であることが多いでしょう。下で詳しく見ていきます。

④プロットが行き詰る

物語を続ける上で、プロットが行き詰ることはよくある問題です。

プロットの進行がうまくいかず、次に何を書くべきかが分からなくなると、執筆の手が止まってしまいます。これを解決するためには、まずプロットを再評価し、必要に応じて調整・再構成することが重要です。

例えば、マインドマップやプロットチャートを使って、物語の全体像を視覚化し、新たな展開を考えるとよいでしょう。また、フリーライティングを取り入れ、思いのままに書いてみることで、新たなアイデアが生まれることがあります。これにより、プロットの行き詰まりを解消し、物語を続けることができるようになります。

⑤キャラクターが起たない

物語の進行において、キャラクターが生き生きと描かれていないと、ストーリーが停滞してしまいます。キャラクターの動機や成長が読者に伝わらないと、物語の魅力も半減します。

この問題を解決するためには、キャラクタープロフィールを作成し、キャラクターの性格や背景、動機を明確にすることが有効です。

よく言われる手法としては、各キャラクターごとに詳細なプロファイルを作成し、それを基に描写を深めようというもの。また、キャラクター同士の対話を増やして個性や関係性を描くこともキャラの立たせ方として有名ではないでしょうか?

ともあれ、自分の作品世界の中に登場するキャラクターがまるで人形のようにしか動かないとすれば、このまま執筆を続けて良いのだろうか……と思案してしまうのは仕方がないことだと私は思います。

⑥設定や世界観の矛盾

物語の設定や世界観に矛盾が生じると、ストーリーの整合性が崩れ、書き進めるのが難しくなります。

この問題を解決するためには、まず設定資料を作成し、物語の設定や世界観を詳細に記録することが重要です。地図や歴史、社会構造などを具体的に描き、一貫性を保つようにしましょう。

また、他の作家や読者に設定や世界観について意見を求めることも有効です。第三者の視点から見直すことで、矛盾や問題点を発見しやすくなります。これにより、設定や世界観の矛盾を解消し、物語の整合性を保ちながら書き続けることができます。

小説を書き続けるコツ

ここまで、小説を書き続けられない原因を2つの視点に分けてご説明してきました。各種簡単に対策まで記しましたが、ここではもう少し詳しく小説を書き続けるコツを解説していきたいと思います。

※なお、以下の見出しの番号は上記原因に付されている番号と対応しております。

①の対策

固定した執筆時間の確保

執筆を習慣化するためには、固定した執筆時間を確保することが重要です。毎日同じ時間に執筆を行うことで、他の予定に邪魔されることなく、執筆を継続できます。例えば、朝の1時間や夜の30分など、自分のライフスタイルに合わせて固定した時間を設けましょう。これにより、執筆が日常の一部となり、書き続けることが容易になります。

タイムブロッキング

タイムブロッキングは、1日のスケジュールを見直し、執筆の時間をあらかじめブロックする方法です。カレンダーに執筆時間を記入し、他の予定と同じように重要視します。これにより、執筆時間が確保され、計画的に執筆を進めることができます。また、タイムブロッキングを行うことで、時間の管理がしやすくなり、効率的に執筆を続けることが可能です。

②の対策

小さな目標を達成する

モチベーションを維持するためには、小さな目標を設定し、それを成功させて達成感を得ることが助けになるはずです。具体例を出しましょう。1日200文字や1ページを書くことを目標にすることで、達成感が生まれ、「次はもう少し高い目標にしてみよう」とモチベーションが高まります。小さな目標を積み重ねることで、大きな目標に近づくことができます。この達成感が執筆を続ける原動力となります。

執筆コミュニティへ参加する

執筆コミュニティに参加することで、同じように執筆を続けている仲間と交流することができます。仲間と意見交換をすることで、新たなインスピレーションやアドバイスを得ることができ、モチベーションの維持に役立ちます。また、コミュニティ内での進捗報告や目標設定を通じて、執筆に対する責任感が生まれ、継続する力となります。

③の対策

執筆環境を見直す

執筆に集中できる環境を整えることは非常に重要です。静かな場所や自分専用の執筆スペースを設けることで、集中力を高めることができます。例えば、雑音を避けるためにヘッドホンを使ったり、執筆に必要な道具をすぐに取り出せるように整理整頓することが有効です。これにより、執筆の効率が向上し、習慣的に書き続けることができます。

特に音や光などの刺激が苦手な人は必ず環境整備はやるべきです。実は私もかなり弱い質でして、そのため執筆部屋は本棚やパーティションなどで居住空間からは完全に独立した空間にしています。執筆中の耳栓は必需品ですし、デスクライトも光源や角度を調整できるものを選んでいます。

執筆環境で何が変わるのかと思われるかもしれませんが、小さなストレスは早期に潰しておいたほうがよいです。これは未来の自分への投資と同義なので。

リラックスできる手法を見つける

ストレスを軽減し、リラックスすることで、執筆への集中力を高めることができます。瞑想や深呼吸、軽い運動など、リラックスできる手法を取り入れることで、心身をリフレッシュさせることができます。これにより、ストレスや外部の干渉に対処しやすくなり、執筆を続けるための精神的な余裕が生まれます。

④の対策

プロットの見直しと再構成

プロットが行き詰まったときには、プロットの見直しと再構成が必要です。まず、現行のプロットを再評価し、どこに問題があるのかを明確にします。次に、マインドマップやプロットチャートを使って、物語の全体像を視覚化し、新たな展開や解決策を考えます。これにより、物語の流れが見えやすくなり、次に書くべき内容が明確になります。再構成することで、物語の方向性が定まり、執筆を続けやすくなります。

フリーライティング

フリーライティングは、思いのままに書き続けることで新しいアイデアを引き出す方法です。特定のテーマやプロットに縛られずに自由に書くことで、無意識に埋もれていたアイデアや新たな視点が浮かび上がります。例えば、キャラクターのバックストーリーやサイドストーリーを書いてみることで、プロットに新たな展開を加えることができます。これにより、プロットの行き詰まりを解消し、物語を進めるインスピレーションを得ることができます。

⑤の対策

キャラクタープロフィールを作成してみる

キャラクターが生き生きと描かれていないと感じる場合、詳細なキャラクタープロフィールを作成することが効果的です。キャラクターの性格、背景、動機、目標などを詳細に記述することで、キャラクターが立体的になり、その行動や言動に一貫性が生まれます。例えば、キャラクターの好きな食べ物や恐れているものまで細かく設定することで、キャラクターの個性が明確になります。これにより、キャラクターが自然に物語の中で動き始め、執筆が進みやすくなります。

キャラに会話をさせてみる

キャラクター同士の対話を増やすことで、キャラクターの個性や関係性を深めることができます。対話を通じてキャラクターの本音や感情を描き出すことができ、読者にもキャラクターが生き生きと伝わります。例えば、キャラクター同士が意見を対立させるシーンや、感情をぶつけ合うシーンを描くことで、キャラクターがより魅力的になります。これにより、キャラクターが物語の中で自然に成長し、物語の進行がスムーズになります。

⑥の対策

設定資料の作成

物語の設定や世界観に矛盾が生じることを防ぐために、詳細な設定資料を作成することが重要です。地図や歴史、社会構造、文化などを具体的に記録し、物語の整合性を保つためのリファレンスとして活用します。例えば、ファンタジー世界の地理や魔法のルールなどを詳細に設定することで、物語に一貫性と深みを持たせることができます。これにより、設定や世界観の矛盾を防ぎ、物語の進行がスムーズになります。

他の作家や読者からフィードバックをもらう

他の作家や読者に設定や世界観について意見を求めることも有効です。第三者の視点から見直すことで、自分では気づかない矛盾や問題点を発見することができます。例えば、作家仲間にプロットを読んでもらい、フィードバックをもらうことで新たな視点を得ることができます。また、読者の意見を参考にすることで、物語の改善点が見えてきます。これにより、設定や世界観の矛盾を解消し、物語をより一貫性のあるものにすることができます。

大事なのは手段ではなく目的

ここまで小説を書き続けられない原因と、書き続けるコツをご紹介してきました。

しかし忘れてはならない事があります。それは他者が示すコツやオススメはあくまでその人(=当ブログでいえば私)にとってのコツやオススメであり、誰もに効き目のある特効薬ではないこと。

今回のテーマでいえば、「書き続けられないという問題を解決すること」が目的だと思います。そして、この記事で紹介してきた手段は絶対的な解法ではありません。

結論を言いましょう。書き続けられないという状態を脱する事ができるのであれば、当記事で紹介した手段に固執する必要は一切ありません。自分の肌に合うものがあれば採用すればいいし、そうでなければ吐き捨てればいい。

当たり前のことですが、あえて書いてみる事にしました(俗に言うスランプ状態に近い状態だと、藁にも縋る気持ちで手法に執着しがちになるものなので……!)

それではまた次回の記事でお会いしましょう!

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